2022 release plan
Legendary RPG
『シン上行伝
―法華戦記―』
時代と伴に語り継がれ、宮澤賢治や石原莞爾に多大な影響を与えた
日蓮の生き様。
大衆的な口語と文藝性によって幕末の刊行以来、版を重ねた日蓮伝
の大ベストセラー小川泰堂『日蓮大士真実伝』を基調としつつ、室
町期に成立した『御伝土代』や絵巻物形式で日蓮伝を確立させた
『註画讃』などの事蹟も織り込んで、史上初のゲーム化。
他の高僧伝の追随を許さない最高峰の高僧伝を、史実、伝承、そして
大胆な解釈を踏まえ日蓮生誕八百年を記念して紡ぐ。
翻案・脚本・シナリオ・総監修:讃岐建治
【開幕の調べ】
<汝早く信仰の寸心を改めて、速やかに実乗の一善に帰せよ。>
1221年、三上皇が遠島に処されるという前代未聞の下剋上が勃発。
地方の一官僚に過ぎなかった北條一族がついに政治を掌握したその翌年、
一人の男児・善日麿が生れた。
承久の変の余波で安房へ流された文官・貫名重忠のもとで善日麿は成長
する。
やがて十二歳を迎えた善日麿は安房東條郷の巨刹・清澄寺へ上がる。
頻発する天変地異、蔓延する疫病、そして夷国からの侵略の触手――
日本を襲う亡国の危機に、一人の沙門が諫暁の旗幟を掲ぐ。
【制作意図】
最も大きな理由は、日蓮を知らない若い人にどんな人かを伝えることです。
従って、内輪(信者や学者)向けの内容ではありません。
ゲームという媒体は若い人が手に取りやすいこと、そして「再歴史化」を
考える上で、近代の國性藝術運動のアプローチを参考に、自身が体現できる
最も効果的な表現手法であったために採用しました。
また、能楽や歌舞伎(戯曲)といった芸能における日蓮や、伝説・小説と
いった文芸上で語られる日蓮は、伝承継承と娯楽の融合形態と言えますが、
本作もその流れに連なるものに位置づけられるでしょう。
これは、八百年に亘って様々に語られてきた日蓮伝を解釈し、再構成した
「私が語る日蓮」です。